介護士の転職で失敗や後悔しないコツ「経験者は自分を安売りしない」

介護業界は慢性的な人材不足で、反対に言えば転職したい介護士にとっては「働く場所が選べる時代」とも言えるようになりました。
しかし「働く場所が選べるから」「介護施設がたくさんあるから」といって、安易に転職すると「こんなはずではなかった」と失敗や後悔することもあります。

今回の記事では転職を考えている介護士が失敗や後悔をしないコツの１つ、「経験に自信がある介護士は自分を安売りしない」という内容をご紹介します。

転職に失敗しないための土台作り

転職を考えており、かつそれなりの経験を重ねてきた介護士の皆さんに、転職に係る大前提としてお伝えしておきたい事があります。

短期間で転職を繰り返すことは、経験豊かな介護士であっても、採用担当者にはマイナスに見られてしまうという点です。反対に言えば「１つの職場（法人）で３年以上は勤務する」ということを心がけておくとよいでしょう。

介護施設、事業所に限らず、どの職場も「実際に働いてみると、面接で聞いた話と違う」などの、自分自身が描いていた職場とミスマッチだったということがあると思います。

しかし数か月程度での早期退職はせずに、３年以上はがんばっていただきたいのです。経験のある介護士（特に国家資格である介護福祉士を有する方）は、特にそうしていただく方が、後々の転職にプラスに働いていく可能性があるからです。

「イヤな事があっても、１つの職場（法人）で３年以上は勤務する」
これが、介護士として転職に失敗しないための土台と言えるのです。

同一職場（法人）で３年以上の経験は、プラスの経験値

転職したい介護士にとって、仮に今の職場がイヤであっても「同一職場（法人）で３年以上」勤務することができれば、履歴書に職歴を記載する際にも、そんなに短期間で転職を繰り返していない印象にはなります。

転職希望の介護士の履歴書の職歴を見ると、中には２～３か月で転職を繰り返している介護士もいます。
介護業界は慢性的な人材不足とはいえ、採用担当者としては「本当は採用したくないけど、人材不足にはかえられないから、しかたがなく採用する」部類の介護士という見方になります。

３年以上同一職場（法人）で勤務することができれば、履歴書上の職歴を大きく汚さなくてもよくなります。

また介護福祉士を有していれば、採用担当者としては「国家資格である介護福祉士を取得している」「すぐに辞めるタイプではない」となり「現職より給与を増やしてあげてでも採用したい」という心理になります。

介護の仕事は「キツイ・キタナイ・クサイ」仕事ではありますが、ご利用者様との関わりの中で仕事のやりがい・喜びを見出していく介護士が多いのも事実です。

「ご利用者様と関わるという点だけみつめれば、私は介護の仕事に向いている（介護の仕事が好きだ）」と思える介護士は、転職したい可能性を含めつつも上手に転職しながら給与を最低でも現状維持、できれば給与アップしていきたいところです。それが介護の仕事を長く続けるポイントにもなってきます。

国家資格と一定の経験値があれば、自分の希望を主張することができる

介護福祉士取得者で、ある程度同じ職場（法人）で経験を積んできた介護士であれば、転職時の面接において、給与面からも自分の希望を主張しやすくなります。

転職面接において、採用担当者が希望給与を聞いてきた場合は、年収ベースで返答することをおすすめします。月給ベースだと、賞与（ボーナス）の額をあいまいにされる可能性が考えられます。

反対に、転職面接において採用担当者が希望給与を聞いてこなかった場合は、実際の支給額（これもできれば年収ベースで）がどれくらいになるのかを確認するようにしましょう。

面接時の雰囲気で、その場でどうしても聞くことができなかった場合は、１～２日以内の間に電話でかまわないので「生活もあるので、確認だけはしておきたい」というような理由で、率直に確認すると良いでしょう。

年収が大幅に下がる転職はやめた方がよい

そして、現職との年収で比較して、あまりにも低い額であれば、その転職はやめた方が良いかもしれません。

なぜなら、下がった年収で例えば３年後くらいにまた転職をしたくなった場合、「前の前の職場では年収◯◯◯円もらっていた」と主張しても、直近の職場の給与で比較されることが多いので、転職の度に年収が下がって行く悪循環の転職に陥ってしまう場合があるからです。

同一職場（法人）で３年以上がんばって働いたからこそ、年収を下げてでも転職するということは避けるようにしましょう。
それが介護業界で長く働きつづけるコツの１つです。

いかがでしたか？
特に介護福祉士を有していて、一定の経験をもつ介護士で、転職を考えている方は、年収を下げてでも転職するというような自分の安売りはしないことです。それが結果的に介護業界で長く安定的に働き続けるコツにもなります。